トリプトファンとは
牛乳から発見された必須アミノ酸のひとつで、乳製品や大豆製品、ナッツ類などの様々な食物中のたんぱく質に含まれています。食物から摂取されたトリプトファンは、肝臓や腎臓で分解され、エネルギー源として利用され、トリプトファンは脳に運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムとともにセロトニン[※1]を生成します。このセロトニンが不足すると、睡眠障害やうつ状態、不安感などが引き起こされます。脳内のトリプトファン濃度が高まるとセロトニンが増えるとされ、催眠剤や鎮痛剤としての効能が期待されています。

トリプトファンを多く含む食材として挙げられるのは、牛・豚・鶏のレバー、小麦胚芽、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、かつお、まぐろなどです。バナナはトリプトファンとビタミンB6をどちらも含むので、効率よくセロトニンを作ることができます。これらの食材を食事に取り入れると、不眠やうつ病などの解消を促すことができます。トリプトファンは体内で合成されない必須アミノ酸であるため、毎日摂取しなければなりませんが、体が必要とする以上に摂取してしまうと、肝臓で脂肪の変化が起こり、肝硬変を招く恐れがあります。

トリプトファンの適量摂取は、精神を落ち着かせ不眠やうつ病などの解消を促してくれますが、過剰な摂取は副作用が起こる可能性があります。うつ病治療の抗うつ剤との組み合わせにより、血圧や心拍数の変化や脳血管収縮障害などが起こる場合がありますので、投薬・服薬をしている場合は、事前に医師への確認が必要です。