リンパ系は、全身の末梢組織に網の目状に広がる毛細リンパ管から始まっています。

ここでは、動脈液から漏れだした組織液を吸収し、小リンパ管、集合リンパ管やリンパ主幹部を経て、
体循環系である静脈へかえしています。
毛細リンパ管は、一般的に毛細血管よりもはるかに太いですが、その大きさは、不規則で(15から75マイクロメートル)、一層の内皮細胞がみられ、一般的に平滑筋や弁を持たないことが多い。

毛細リンパ管外壁には、リンパ管繁留フィラメントと呼ばれる細い繊維が存在し、周囲結合組織とつながっていて毛細リンパ管を固定しています。
集合リンパ管は、一気に太くなり(100から200マイクロメートル)、弁が存在しています。

特に大きなリンパ管には、内膜、中膜、外膜の三層構造となっていて、弾力繊維や平滑筋細胞まで存在し、動脈拍動、筋収縮、隣接組織の動きや胸腔内陰圧による吸引力などのリンパ管の受動運動や能動的運動に都合のよい構造になっています。

弁と弁との間の一つの区切りを、リンパ管単位といいます。

毛細リンパ管は、組織間隙の体液を吸収し、体液量の分布を一定に保つだけでなく、タンパク、コロイド、リンパ球なども取り込みます。
集合リンパ管は、リンパ液を輸送する中で、水分を管外に放出することによって、タンパク濃度を高めつつ、液を中枢側に送ります。